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【アパレル業界でも注目!】ビッグデータの特徴と活用事例4選

2016/11/10

 

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「ビッグデータ」一度は耳にしたことはあるけれど、よく知らない・・・あらゆる分野で注目を浴びるビッグデータ、今やアパレル業界にも影響を及ぼし始めています。

  • そもそもビッグデータってなに?
  • ビッグデータの利用方法は?
  • 活用するとどんな効果があるの?

今さらそんなこと聞けないけど、気になるビッグデータについて解説します!さらにアパレルでビッグデータを利用する際に抑えておきたい項目と実際の活用事例を紹介!ぜひ参考にしてください。

ビッグデータとは?

ビッグデータ

出典:情報通信審議会ICT基本戦略ボード「ビッグデータの活用に関するアドホックグループ」資料 (引用元:総務省『平成24年版 情報通信白書』

まず最初に知っておきたいのは「ビッグデータ」と呼ばれる言葉の意味や、特徴を押さえておくことが大切です。

ビッグデータの定義

「事業に役立つ知見を導出するためのデータ」
このように総務省は発表していますが、シンプルに言えば非常に膨大なデータの集合です。SNSで投稿された写真、動画、ECサイトでの購入履歴など、私たちの日常生活に関する情報がデータ化され蓄積されています。そうした膨大なデータの総称が「ビッグデータ」です。

そもそも何をもって「ビッグ」なのか

「膨大なデータの集合」とは言いますが明確にどの程度のデータ量をビッグデータというのか、しっかりとした定義があるわけではありません。そのため

  • Volume(データの量)
  • Variety(データの多様性)
  • Velocity(データの発生頻度や更新頻度)

「3つのV」を基準とし、それぞれが高いレベルで備えてることがおおまかな定義として使われます。また、最近では前述した3つに加え、膨大すぎる情報をより厳選、精査した

  • Veracity(データの正確性)
  • Value(データの価値)

を含めた「5つのV」を基準とすることも多くなってきています。

ビッグデータの特徴

ビッグデータとは、単に情報量が多いだけでなくさまざまな種類や形式が含まれるデータを指します。そして、リアルタイムで日々新しい情報が蓄積し更新されていくことが特徴とされています。そうした情報量の多さは今まで管理しきれないため見過ごされてきましたが、技術の進歩によってそのようなデータ群を記録、保管して即座に解析することで、ビジネスや社会に有用な知見を得ることができるようになりました。そうしたビッグデータの運用はこれまでにないような新たな仕組みやシステムを産み出す可能性があると注目されています。

参考:IT用語辞典

ビックデータの基本的な3つの利用法

 

ビッグデータの定義や特徴を押さえたところで次はビジネスシーンにおいてビッグデータを利用する方法を大きく分けて下記の3つについて紹介します。

  • データを解析した高精度な予想
  • 蓄積された情報を利用しやすく抽出
  • ビジネスにおける過不足の解消

データを解析した高精度な予測

ビッグデータに基づいた分析が可能になるとこれまでよりも精度が高い予測が可能になります。例えば、今までは管理職や現場の経験や能力に基づいていた予測やビジネスプランをビッグデータを用いることによって、よりデータや計測に密接に関係している高精度な予測にすることができます。そのため、一定水準以上のビジネスプランを立案しやすくなり人の経験や能力に影響を受けることが少なくて済みます。

蓄積された情報を利用しやすく抽出

昨今では高精度に進化した分析技術により、自分達に必要な情報がリアルタイムで抽出できるようになりました。例えば、自動車の自動運転にはカメラ映像やセンサーを用いて収集されたデータの中から運転に必要な情報を即座に割り出すことができます。そうした情報から道路周辺や路面の状況、車両の速度、位置情報を抽出して反映することで自動運転を実現できるようになりました。また、web広告に関してはユーザーの性別、利用したwebショップの閲覧履歴やネットの検索履歴などから、そのユーザーに興味がありそうな広告を表示しています。

ビジネスにおける過不足の解消

上記2つを活用することで、ビジネスシーンにおけるさまざまな過不足の解消にも繋がります。データをもとにしたプランを立てることで商品や部品、廃棄の過不足を解消できるようになります。さらに、ビッグデータ解析にAIを使用することでプランの立案、実行する人材を極力抑えることも不可能ではありません。このように環境さえ整えてしまえば「モノ、人、時間」のロスを極力無くし、効率化も可能になるのです。

 

さまざまなビックデータの種類

この項目では実際にビジネスシーンでも使用できる身近にあるさまざまなビッグデータの種類とアパレル業界で活用できるビッグデータの種類を紹介します。普段何気なく得ていた情報もビッグデータに含まれているので今後はぜひ意識してみるようにしましょう。

身近にあるビッグデータ例

種類主な活用方法
天気予報集客予想や交通状況の把握
位置情報地域による消費者の動向や交通状況の把握
SNS注目を集めているワードやニュース、スポットの解析
広告消費者の潜在ニーズ解析や顕在ニーズ解析
さまざまな履歴消費者の動向調査

このように普段何気なく見ている情報はすべてビッグデータとして日々蓄積されています。今まではあまりにも膨大な情報量だったため扱いが難しかったデータも細かく正確に自身のビジネスモデルによって解析することができるようになってきました。

アパレル業界において活用できるビッグデータ例

種類主な活用方法
トレンド市場の動向調査や商品開発
購入履歴経済指標調査や生産ラインの調整
顧客情報客単価、商品単価、実売数解析
VMDホットスペース調査、トラフィックやトランザクション解析
商品管理商品の過不足調査

ビッグデータの活用はもちろんアパレル業界でも取り扱いできます。ビッグデータをうまく活用できればより一層顧客理解に繋がりビジネスプランが立てやすくなるでしょう。

こちらの記事ではトレンドについて大きく深堀りについてご紹介しています。

【アパレルで活用】ビックデータで何ができる︖

ビッグデータの活用をアパレル小売業界に置き換えた時に考えられる要素は上記の内容が重要になります。そして、実店舗だけではなくECサイト、web広告、SNSも活用したデータドリブンがもっとも大きく影響を与えます。ECサイトやweb広告、SNSから得られる情報をもとにすれば集客力や販売力の向上も見込めるでしょう。

ビックデータのメリット・デメリット

ここまで説明してきたとおり、活用できれば多くのチャンスを掴めるビッグデータですがメリットもあればデメリットもあります。メリット・デメリットをしっかりと把握し最適なを見出しましょう。

メリット

  • リアルタイムで情報が更新、蓄積されていく
  • データ量が多いため高精度な検証が行える
  • 作業効率、生産性を高めることができる

ビッグデータを活用するメリットとして挙げられるのは上記の3点がもっとも大きいでしょう。ビッグデータから抽出された情報をもとにビジネスプランを立てることによって人の能力に依存しないためマーケティング施策の方向性も決めやすくなります。その結果、作業効率を大きく高めることが可能になるのです。

デメリット

  • 個人情報やプラバシー侵害に繋がる情報も含まれているためリスクマネジメントが必要
  • 目的に合わせたデータの取捨選択が必要
  • データ管理するためのコストが掛かる

一方で考えられるデメリットは上記3つが主なものとなります。特に膨大な情報を取り扱うため個人情報の管理が非常に大切になり一番デリケートな部分になるのではないでしょうか。そのためデータ管理するためのコストが大きくなることも考えなくてはいけません。また、目的に合わせたデータの取捨選択をするために必要な専門知識を持った人材の確保も視野に入れなければなしません。場合によってはシステムを構築するために他企業に頼ることも必要になるでしょう。

事例から⾒るアパレル業界のビッグデータ活⽤事例4選

ここまで説明してきたとおりビッグデータをうまく活用できれば新しいビジネスチャンスが生まれます。この項目では実際にアパレル業界でビッグデータを活用している企業の事例の下記4選をご紹介します。

  • UNITED ARROWS
  • Google
  • 山陽紹介
  • ZOZO

UNITED ARROWS

UNITED ARROWSでは、自社ECサイトにおいてビッグデータを活用しています。その中で特に力を入れていることが、「お客様分析と店舗分析」です。ユーザーの購入履歴や検索履歴などから、売れる商品を分析し、お客様のトレンドを把握しています。それに加え、実店舗データもECサイトへと活用しているそうです。

Google

世界最大の検索エンジンを提供するGoogle社は、「Fashion Trend Report」という形で、ファッションの流行予測を導き出しました。このレポートはファッションをキーワードに検索された60億件ものデータから抽出、分析されたものです。消費者の現在のファッションの関心や、新たな流行の出現、衰退の兆候などを捉えています。この流行予測は、新しい流行の発生する日付、地域、そしてそれが他の地域へ広がっていくスピードまでを分析できるという、驚くべき精度を誇るのです!

 

三陽商会

三陽商会と画像や映像を解析する独自のAI技術の研究開発と事業化を行う企業、ファッションポケットが2018年に業務提携を結びました。三陽商会は、成長戦略の柱の一つとして、販売・マーケティング・企画などにおいてデジタルを活用するデジタルトランスフォーメーションの推進を掲げています。その中でも、トレンド予測や消費者ニーズの把握に課題を抱えていることから、AI活用による企画精度の向上は重要な施策と考えております。2018年に創業したファッションポケットは、画像AIエンジンを用いた世界初のファッショントレンド解析サービス「AI MD」を展開しています。

引用:AI活用でファッションビッグデータを解析:三陽商会とファッションポケット、業務提携に関するお知らせ

ZOZO

ZOZOテクノロジーズはゾゾグループが持つ膨大なビッグデータをマーケティング活用しています。「ゾゾタウン」では年間購入者が860万人にのぼり、取り扱いブランドは8000を超え、そのデータの中には購入履歴、検索履歴、顧客情報などが膨大なデータが蓄積されています。運営するファッションアプリ「WEAR」では着こなし方法などの日々移り変わるトレンドをリアルタイムで押さえることができます。さらに「ゾゾスーツ」「ゾゾマット」で得た体型データを得るなど、いち企業が抱えるデータ群としてはあまりにも膨大で得に特筆すべき点があります。それらのデータを使って売上高拡大や顧客体験価値の向上につながるAI活用を進めているそうです。

参考:【ZOZO・エアークローゼット事例】AIを活用する最前線ファッションテックの現状とは?

ファッションアプリ「WEAR」についてはこちらをチェック!

【まとめ】今後も様々な活⽤法が⾒込める

いかがでしたでしょうか?このようにさまざまな企業がビッグデータを使用し新たなビジネスチャンスを掴もうとしています。今後も技術の発展により、さらに身近な存在になっていくでしょう。

AIとビッグデータの未来

ビッグデータの恩恵を一層感じることができるようになった背景にはコンピュータとインターネットの発展、デジタル化データの取り扱い規模の増大、そしてAI技術の進歩が欠かせません。特にAIがもたらす恩恵は大きく膨大なデータを学習し、さまざまなビジネスシーンに合わせた精度の高い分析能力はこれからもビッグデータと密接に関係してくことになるでしょう。しかし、もちろんAIの進歩だけではビッグデータの活用は成り立ちません。まずはビジネスモデルに合わせた情報の収集が必要になってくるのです。

アパレル業界でビッグデータを活用するならインフラ整備は必須

企業にとって大事な情報やデータ収集にはまずは環境の整備が大前提になります。そのためにはまず、より精度の高いデータ収集が必要になりシステムの構築が必要不可欠になるのです。

もしも、この記事が参考になりインフラ整備を改善したいとお考えならばアパレル特化型サービス『アパレル管理自動くん』の資料もぜひご一読ください。

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